練りに練ったものを表現する2人と瞬間を突っ走る1人が
同じ場を共有することで生まれるスリリングなグルーヴ感
Perfumeはこれまで、日本テレビ系の3番組でレギュラーを務めている。まず最初に流れたのは「HAPPY!」(2008年4月~9月)。オンエア当初はメンバーが雑貨屋や電気屋に出かけ、買物をするという内容が多かった。つまり当時のPerfumeは、いくら人気上昇中だったといっても、まだ「ロケに出てもパニックにならない」程度のポピュラリティだった。もっともオンエア後半では、お笑い芸人を交えたスタジオ・セッションへと内容が切り替わったが。次に「Perfumeの気になる子ちゃん」(08年10月~09年3月)が始まる。タイトルにグループ名が登場したところに注目してほしい。つまりここでPerfumeは“名前で客が呼べる”存在である、ということがテレビ業界的に認識されたわけだ。こちらもお笑い芸人とのセッションが多かった。
09年4月から6月まで続いた「Perfumeのシャンデリアハウス」は、いわゆるシチュエーション・コメディで、かなりの部分が台本に書かれている。役者ではないPerfumeにとっては大いなるチャレンジであったことだろう。
このDVDは、ディスク1と2に「シャンデリア」の全話、ディスク3に「HAPPY!」と「気になる子ちゃん」の各一部+「シャンデリア」の未公開シーンが収められている。彼女たちの楽曲はBGM的に使われているが、歌唱シーン自体はない。つまり本ボックス・セットは、歌手としてのPerfumeにこだわるひとには不向きだ。
しかしPerfumeそのものに魅かれているファンにとっては、これぞジ・アザー・サイド・オブ・パフューム、穴が開くほど繰り返し見たくなる垂涎の映像選といえる。いまも「3人の顔と名前が一致しない」という方もいらっしゃるようだが、このボックスを見終わる頃には誰もが各人なりの「あ~ちゃん像」、「かしゆか像」、「のっち像」を頭の中に打ち立てているはずだ。
「気になる子ちゃん」での、“しょうゆ、みそ、塩ラーメンを混ぜたらどの味が強いか”という実験における怒涛の展開。「シャンデリア」における、台本の枠を軽く飛び出す3人3様のキレっぷり。あくまでもオン・ビートでイン・コード、練りに練ったものを表現する2人と、アヴァンギャルドかつアウトワード・バウンドに瞬間を突っ走る1人が同じ場を共有することで生まれる異様にスリリングなグルーヴ感。浸れば浸るほど、その奥深さに吸い込まれるばかりだ。



