FAMOUS JAZZ CD 21 PROJECT | 21世紀の定番ジャズCD

1980年代のジャズ 100CD 選考座談会 vol.11

パット・メセニー・グループは前半と後半を代表する2枚を

益子:
次は3票獲得盤。ここからグンと数が増えますけど。
後藤:
3票中だったらさ、同じ人間が入っていたら整理するっていう考え方でいいんじゃないの?
村井:
3票のところからメセニーが増え始めるんですけど、『トラヴェルズ』と『レター・フロム・ホーム』とあるんですね。
後藤:
僕思うんだけど、もしまとめようと言うのなら、『トラヴェルズ』を残して、『レター・フロム・ホーム』を…でも難しいなぁ。
益子:
僕は、パット・メセニーは前半1枚、後半1枚ぐらいでいいバランスだと思うんですよ。それで、たまたまここの2枚は僕も入れていますけど、もうちょっと下に『オフランプ』があるんですよね。
後藤:
『オフランプ』は入れなくていいんじゃない? って勝手に言っているけど(笑)。
須藤:
メセニー・グループのECM期と、それ以外が後の時代であればいいのかな、と。
益子:
あと『リジョイシング』がありますね。
須藤:
『リジョイシング』はもったいないなぁ。
後藤:
だってあれ全然違うもん。
益子:
もう少し下に『80/81』もありますよね。こうやっていくとメセニーでいっぱいになっちゃうんですよ。
後藤:
あれも悪くないんだよね、でもそんなこと言ったらどんどん増えちゃう。どれか削ろうよ。
須藤:
80年代ってメセニーの時代かな、っていうのがあるんですよね。
村井:
それはあるね。
後藤:
ある程度多くてもいいんだけど、全部は多すぎるでしょう。
村井:
他に何があるかっていうと、『ファースト・サークル』『ソングX』、全部で7枚入っているね。
後藤:
それは多すぎる。じゃあメセニーを整理しよう。まあ、多くて4枚かな。
須藤:
グループで2枚、ソロで2枚ぐらいですかね。
後藤:
そんなもんじゃないの。
村井:
私が『トラヴェルズ』じゃなくて、『レター・フロム・ホーム』にしたっていうのは、『トラヴェルズ』ってね、僕の個人的なイメージでは、70年代パット・メセニー・グループの集大成みたいな感じがするのね。この時期まででそれ以前のメセニー・グループは終わりになりました、で、次の『ファースト・サークル』で時代が変わりました、って感じなんですけど。その『ファースト・サークル』以降のPMGが未だに好きだし、楽曲のクオリティが高いのは、『レター・フロム・ホーム』だと思うので、これにしたわけです。だからもし、PMGで、1枚選べっていわれたら、『レター・フロム・ホーム』を選びます。
後藤:
じゃあ、『レター・フロム・ホーム』を入れること、これは決まりってことで。僕もそれに異論ないし。
益子:
僕は今の『トラヴェルズ』の話には若干異論があって、これは70年代の集大成だけではなくて、ライル・メイズとのデュオのやつとか、ナナ・ヴァスコンセロスの存在が大きくて、これが明らかに80年代後半に向かう流れを作っていると思うんですよね。それまでの集大成&それ以降の流れの端緒、という意味でこの作品は結構重要だと思うんです。
後藤:
そうすると益子さんは、『トラヴェルズ』は入れたいってこと?
益子:
入れたいですね。
須藤:
グループが2枚って妥当だと思いますよ。
後藤:
じゃあ、入れてもいいんじゃない。
益子:
そうすると、『オフランプ』と『ファースト・サークル』をどうするかってことですよね。
後藤:
両方切っちゃえばいいじゃない。僕『オフランプ』はそんなにいいと思わないけどなぁ。
村井:
あれは、あれで非常に重要なアルバムなんだけど(笑)。言い出すとキリがない(笑)。
2枚選ぶとしたら、3票入っているという重みもありますし、今、益子さんと僕とで理屈をつけたから。
後藤:
じゃ、メセニーは、『レター・フロム・ホーム』と『トラヴェルズ』を入れるということでいいんじゃないの。
村井:
メセニーのPMGじゃないものは『リジョイシング』『80/81』『ソングX』とあって、僕は勝手な意見を言わせていただくと、『ソングX』は実は音楽的に楽しめないのよ、個人的に。オーネットのアルバムだったら、別のを選びたいし、歴史的重要度は高いし、よく言及されるアルバムだけど、無理に入れなくても、と僕は個人的に思っております。
須藤:
選んだの私なんですけど、『ソングX』で初めてオーネットを聴いたので印象が深くて入れたんですね。今思うと、「まぁ、いいかぁ」という気がします。
村井:
ただ、『80/81』は捨て難いんだよね、どうかなぁ。
須藤:
『80/81』は捨て難いなぁ、『リジョイシング』もそんなに悪いアルバムじゃないし。
村井:
でも、ちょっと地味かなぁ。
益子:
その中で選ぶとすると、『80/81』でしょうか? ただ、ブレッカーは不調という…。
須藤:
あれがあったからこそ、その後に開花した人だから(笑)。
村井:
原田さんは、『80/81』ってアルバムはどうでした?
原田:
懐かしい気持ちが先にたちますね。ギターがジェームズ・ブラッド・ウルマーなら良かった。
村井:
実はこれ須藤さんしか入れてないの。僕もちょっと入れてもいいかなぁ、と思いますけど。
益子:
僕、票は入れなかったんですけど、トリオだったら年代ぎりぎりだと思うんですけど、『クエスチョン・アンド・アンサー』のほうが、『リジョイシング』よりいいと思うんです(ぎりぎり89年12月リリースなのが判明)。
須藤:
じゃ、そっちのほうがいいな。
一同:
じゃ、挙手で(笑)。
村井:
いいんだけどさ。ちょっとメセニー問題ペンディングにしておかない? 2枚決めておいて、またあとでやりましょう。

※ この原稿は2008年7月5日に都内某所で行われた座談会の模様を再構成したものです。