FAMOUS JAZZ CD 21 PROJECT | 21世紀の定番ジャズCD

1980年代のジャズ 100CD 選考座談会 vol.21

キップ・ハンラハンはジャック・ブルースで選ぶ

村井:
次はキップ・ハンラハンですね。『テンダーネス』と『ヴァーティカルス・カレンシー』と『デザイアー・ディヴェロップス・アン・エッジ』で、僕が『クープ・デ・テテ』を削除したんですけど、みんな1票ずつなんですよね。
後藤:
そんなにばらけたの? まとめて1枚にしたほうがいいんじゃない? 俺なんでもいいよ、1枚入れば。
益子:
好き嫌いでいうと、僕は『ヴァーティカルス・カレンシー』が好きなんですけど、カラーがモノトーンなんですよ。でもハンラハンって、もっと多彩なカラーが出たほうがいいと思うので、『デザイアー・ディヴェロップス・アン・エッジ』はメンツがバラけていて、ジョン・スコまで入っていて、これに代表させたいな、と思っただけなんです。だからどれが入ってもいいです。
後藤:
俺が『テンダーネス』を入れたのは、わかりやすいからなんだけど。
村井:
あれはいいアルバムですよね、聴きやすいですよね。
須藤:
私が入れた『ヴァーティカルス・カレンシー』はジャック・ブルースのヴォーカルが聴きたいというのと、バックのカーラ・ブレイ系列のメンツもいいんですよ。
後藤:
『ヴァーティカルス・カレンシー』もいいよね。
村井:
なかなか難しいなぁ。
後藤:
ジャック・ブルースの歌が入っているやつでしょ。それに入れてもいいや。
村井:
じゃ、『ヴァーティカルス・カレンシー』ってことで。次はアンリ・テキシエ。後藤さんなんか選んでいませんでしたっけ?
後藤:
俺はどっちかっていうと90年代のアンリ・テキシエのほうがおもしろいと思った。80年代はあんまり知らないんだよね。
須藤:
ジョー・ロヴァーノとジョン・アバークロンビーがいい味出しているんですよ、それで選んだんですけど。これ誰も聴いたことなかったですか?
村井・益子:
うーん、わかんないから、いいも悪いも言えない。
原田:
スティーヴ・スワロー、いましたっけ?
須藤:
います。
原田:
プールのジャケットのやつ?
須藤:
プールのは2枚あるんですよね。ジャケットの使い回しで。
後藤:
え、そうなの? やめて欲しいな、そういうの。ラベル・ブルーだろ? 俺1枚は持っている。おじさんとかおばさんがプールにいるんだよね。
村井:
あー、あれかー。
須藤:
(ジャケットを見せる)
後藤:
あ、それは持っている。(よく見たら)あ、俺の持っているプールのは違う! 同じプールだけどこれじゃない。
須藤:
プールの中でキスしているほう?
村井:
これ凄くいいメンバーだよね。
後藤:
もうひとつ別のショットがあるんだよね。なんでこんなの使い回しにするんだろう。
須藤:
おいておきますか?
後藤:
わからないなー。
益子:
ちょっと聴いてみますか?
村井:
メンツ的には全く悪くないんですよねー。(ということで聴き始めた瞬間…)
後藤:
あっ、いいじゃん。
村井:
早いね。(一同笑)
後藤:
テキトーだなぁ、俺も。
村井:
こういうのはどう選んだらいいんでしょうね。知らないのを聴こうってやっていると朝になっちゃうね。
須藤:
私のはそういうの多いです。
後藤:
これ、有名な曲だよな。最初のほうのヒット曲だよね。これ1票入れます。悪いアルバムじゃないじゃん。
須藤:
悪いアルバムは入れてないですよ。
後藤:
あっ、申し訳ないです、失礼いたしました(笑)。。。
原田:
「男はつらいよ」みたいな曲ですね。
須藤:
テキシエもつらいよって。
益子:
決め方を考えないとキリがないがないですよね。どうしましょうか。須藤さん分あとまわしにしていいですか?
須藤:
それがいいと思います。ヘンなのばっかりだし。
後藤:
ヘンなのばっかりって、かわいそう!(いいながら声が裏返っている!)
益子:
みんなが知っているようなものから埋めていったほうがいいような気がします。
須藤:
だってさ、ジュリアス・ヘンフィル・ビッグ・バンドなんて、誰も聴いてないよね?
原田:
これはいいんですよ、聴いていますよ。
須藤:
あー、よかった。
原田:
当時、国内盤が出なかったのは理解できない。
須藤:
だから掘り起こさなきゃなぁーっと思って。
村井:
須藤さんが、これいいね、っていうのに、ビル・フリゼールが入っているの異常に多くない?
益子:
だからちょっとそれを後まわしにして、後藤さん盤からいきましょうよ。
村井:
まずは、アート・アンサンブルの『アーバン・ブッシュメン』2枚組と『サード・ディケード』。
後藤:
私はそれに関してはどっちでもいい。
村井:
そうだなぁー、『アーバン・ブッシュメン』は結構派手で好きなんですよ。だから『アーバン・ブッシュメン』に1票。
須藤:
その辺はアルバムのカラーでどっち選ぶかだけなんで。
原田:
うーん、『アーバン・ブッシュメン』かぁ、「オドゥワラ」に辿り着くまで長いんですよね(笑)。
村井:
それは長いんですよ。
須藤:
だから僕は選ばなかったんです。
村井:
「オドゥワラ」に辿り着くのを楽しみにして聴いているの(笑)。
原田:
安心するんですよ。鐘がゴーンと鳴るのを耐えて、「オドゥワラ」で最後ダッーって。
須藤:
耐えられないよって(笑)。
原田:
僕は『サード・ディケード』かな。1曲もの凄いハード・バップなんですよね。
村井:
なるほど、どうしましょう?
益子:
僕は個人的には、やっぱり短いほうがいいんですよ(笑)。長いと辛いんです。
須藤:
じゃ、『サード・ディケード』。

※ この原稿は2008年7月5日に都内某所で行われた座談会の模様を再構成したものです。