お寒いありさまの80年代盤のCD化事情
- 須藤:
- でも、実は今回選んだやつって、ほとんど手に入らないんですよ。
- 原田:
- えっ? これで?
- 益子:
- CDで?
- 後藤:
- そう?
- 須藤:
- 半分は無理。
- 村井:
- 半分無理かぁ。
- 原田:
- そうですか?
- 須藤:
- アマゾンのマーケットプレイスで見ると3万円とかね。
- 益子:
- アマゾンのマーケットプレイスはめちゃくちゃですよ。
- 原田:
- えー、そうなんだ。
- 村井:
- 確かにさ、ECMだってマイナーなものはもう無理だし、エレクトラ系はもう無理だし、グラマヴィジョンも全滅だし。
- 須藤:
- 渡辺香津美ものも、オーネットだって、一部は手に入らないし。
- 益子:
- 『うたかたの日々』もダメだし。
- 須藤:
- 『うたかたの日々』はどうにか在庫があるみたい(笑)。
- 村井:
- そんなにダメなんだ。
- 益子:
- でも、在庫切れたら終わりでしょう?
- 原田:
- 現状はそんななんですか?
- 村井:
- じゃ、しょうがない、ネットラジオでかけるか。
- 須藤:
- これで少しでも再発して、80年代が脚光を浴びればね。スタン・ゲッツだって無理でしょう。『ヴォヤージ』は最近出てきましたよね。
- 益子:
- デッド・ストックが出たとか言ってね。
- 須藤:
- どこのレーベルでしたっけ。
- 益子:
- 確か、ブラックホーク。
- 須藤:
- フィル・ウッズが山のように出た。
- 原田:
- そうですかぁ。
- 須藤:
- だからこれやることは、凄く意味があると思うんですよ。こんなのあったねぇーって。そういえばジェームス・ブラッド・ウルマーの『ブラック・ロック』はリミックス盤が売ってました。
- 原田:
- そんなのあるんだ。
- 村井:
- ふーん。
- 須藤:
- 日本でリミックスした人がいるみたい。
- 益子:
- どうやってリミックスするの? 元々グジョグジョなのに(笑)。
- 村井:
- ますますグジョグジョなのかなぁ? 不思議なことやるなぁ。
- 須藤:
- キースのスタンダーズも3枚組ボックスじゃないと手に入らなくなっちゃったし。
- 後藤:
- そうなの?
- 須藤:
- ECMの輸入盤はそうです。あっ、国内盤もかな?
- 後藤:
- 酷いなぁ。それはおかしいなぁ。
- 須藤:
- アイヒャーの策略ですよね。
- 村井:
- 今度『コドナ』の3枚組が出るんでしょ?
- 須藤:
- 『コドナ』はもう手に入らなくなっているから。
- 後藤:
- 3枚もあるの? 2までは知っているけど。
- 益子:
- キースの3枚組はひどいですよね。リマスターするとか言っていたのに、そのまま出しちゃったでしょ。
- 村井:
- あれはね、実は日本国内では凄く問題になったんですよ。
- 須藤:
- だって、宣伝していたんだからね。
- 後藤:
- ふーん。
- 村井:
- だって、キースの3枚なんてみんな持っているわけじゃない。それをボックスに入れてリマスターをアイヒャーが特にやってっていうことで予約とって、やりませんでした。ってことになったわけよ。
- 須藤:
- 国内発売になったんでしたっけ?
- 村井:
- お詫びのメールは来ていたよ。
- 後藤:
- それひどいなぁ。
- 村井:
- 僕は予約したわけじゃないけど、メディア関係者の人達にって。
―そこに八田到着― - 益子:
- 八田さん、落ち着いたら、まずチェックしてもらって、これはいらないから、とか、これを入れろとか、言っていただければ。
- 八田:
- いえいえ、そんなことは全くございませんので。
- 益子:
- まぁ、一応見てから(笑)。
- 村井:
- 八田さんの単独選びのものについては、二つぐらい落ちているけど、あとは入っていると思います。二つ落ちているっていうのは、知らないからって理由だから(笑)。
- 八田:
- ハンク・クロフォード、残ったんですか?
- 村井:
- 残している。
- 須藤:
- ソウル・ジャズ1枚残しておこう、って。
- 八田:
- もっといいのがあるかもしれないですよ。
- 一同:
- 笑
- 八田:
- 私は好きですけど。
- 後藤:
- いいじゃん、自分が好きだったら。
- 八田:
- 今日はいつから始めていたんですか?
- 益子:
- 4時スタートだけど、実質的には5時から。
- 後藤:
- 5時間はちゃんとやっていたよ。
- 村井:
- おもしろかったね。これは何かの目的がない限り、単にこんな集まってね、5時間もお酒も飲まず真面目にやらないよ。
- 八田:
- ノン・アルコールだったんですか?
- 一同:
- そりゃ、そうだよ。終わったからやっと飲めたんですよ。
- 後藤:
- アルコール入りだったらメチャクチャになっちゃうよ。
- 益子:
- てめー、この野郎、こんなもん入れやがって、とか(笑)。
- 後藤:
- そうはならないけど、なんでもいいや、って。
- 村井:
- 一瞬そうなりかかったときもあったけどね。
- 八田:
- へー。
- 須藤:
- 1枚ものの選別の時ですね。
- 村井:
- だって、その人しか知らないっていうアルバムがけっこうあるから(笑)。
- 須藤:
- すみません!
- 後藤:
- 聴いたことないから、イイも悪いも言えないし。
- 須藤:
- 90年代編の時は気をつけます。
- 益子:
- でも90年代以降は、もっと本当に誰も知らないっていうのが出てきますよ。
- 後藤:
- 当然そうなってくるでしょう。
- 八田:
- え? 90年代はけっこうあるんじゃないですか?
- 須藤:
- 90年代はけっこうないよね、ってさっき話が出ていたんですよ、ばらけますよ。
- 後藤:
- じゃ、90年代はもっと沢山、八田さんに出してもらおう。
- 益子:
- 試聴会をやらないとダメかもしれないですね。
- 原田:
- 90年代かぁ…。
- 村井:
- まだ真面目に考えてないんだけど、極端な話、日本で出たものって、ほとんど無いんじゃないかっていう気がする。
- 後藤:
- ぱっと思いつくのって、10枚〜20枚ぐらいしかないなあ。
- 益子:
- もしかしたら全員が出しても100枚にならないんじゃないかとかね。
- 後藤:
- オレ、そうなりそうな気がする。それで揉めるよ。
- 須藤:
- 90年代に入ると、ECMもなくなってくるんですよ。
- 村井:
- また逆に、90年とかはあるかもしれないね。80年代で入れようとしたら90年代だからやめよう、というのもあるしね。
- 須藤:
- 90年、91年はあるかもしれないけど、98年とかに何ありましたって言われても何あるか覚えていない。
- 八田:
- でもケニー・ギャレットの『トリオロジー』とかありましたよね。
- 後藤:
- オレはそれ挙げるけどね。
- 原田:
- あ、そうですね。あれは挙がりますね。
- 後藤:
- あれは傑作。
- 須藤:
- ひとり1枚(笑)。
- 八田:
- 90年代の6枚っておもしろい(笑)。1年1枚ずつ。
- 村井:
- 人がもっと限られてくるのかな。
※ この原稿は2008年7月5日に都内某所で行われた座談会の模様を再構成したものです。


