FAMOUS JAZZ CD 21 PROJECT | 21世紀の定番ジャズCD

1980年代のジャズ 100CD 選考座談会 vol.33

「後ろ向き」なのか、「普遍的」なのか?

八田:
でも、バリー・ハリスの後ろ向きのやつが入っていますから、大丈夫です。
後藤:
バリー・ハリスの後ろ向き(笑)。
―ハンク・クロフォードを聴くー
村井:
あっ、これはいいよ、こういうの1枚ぐらい欲しいな。
八田:
ハンクは70年代のほうがいいんですけどね。
後藤:
バリー・ハリスって誰と誰が入れている?
八田:
私と後藤さん。
後藤:
あっ、そうか(笑)。
村井:
後藤さん、全部忘れまくってる(笑)。さっきから話聞いていると。
後藤:
何にも考えてないって。
須藤:
直感って大事ですよ。
村井:
明日選べばまた変わるんだよ。これがジャズだよ。あとは野となれ山となれ。
後藤:
あとは野となれ山となれ、は正しい!
須藤:
でもこれって、年代不明ですよね。
村井:
確かにこれが80年代か、70年代か当ててみろ、って言われてもわからないよね。
八田:
要するに後ろ向きなんですよ。
須藤:
後ろ向きていうか、普遍的ですよね。
原田:
そうですね。
後藤:
でもこれ、80年代だって、絶対わかんない。
八田:
僕は外してもいいですよ。
須藤:
いい演奏かもしれないけど。
八田:
後ろ向きですよね。
須藤:
それいったらピアノトリオ系だってみんなヤバイしね。
村井:
まあな。なんたって、デューク・ジョーダン『ジェラシー』が堂々の2票。
後藤:
おれはバリー・ハリス落としてもいいよ。ウォルター・デイヴィス入れようよ。
八田:
バリー・ハリス好きですから、いいですいいです。
村井:
代わりに人のヤツ落としていい、って言ったら。
後藤:
それは血を見るよ。(爆笑)自分が挙げたものじゃなくてこんなの入れなくていいっていったら、ヤバイよ。
八田:
別にいいですよ。私が落としていいっていうのは、マライアとかですから(笑)。
村井:
ほらきた、ほらきた。
益子:
それは血を見るよ。(爆笑)
村井:
だから清水靖晃問題も4枚もあるからさ、1枚にしてください、って。
八田:
ベニー・ウォレスは『プレイズ・モンク』と、『黒猫のタンゴ』のやつ、なんだっけ? そんなようなのがうちにありますよ。
村井:
『ビッグ・ジムス・タンゴ』じゃないか?
後藤:
全然違うじゃないか。
益子:
「黒猫のタンゴ」って八田さん生まれる前でしょ?
八田:
タンゴっていうと「黒猫のタンゴ」しか思いつかない。(爆笑)
益子:
しかも、あれってタンゴじゃないじゃない!
須藤:
バンドネオンが入っているだけ。
原田:
『プレイズ・モンク』でもいいですよ、僕は。
後藤:
オレも『プレイズ・モンク』でもいい。
八田:
エディ・ゴメスがウザイんですよ。
原田:
でも、「スキッピー」やっていますからね。
八田:
「スキッピー」のメロディをウォレスとゴメスがユニゾンでやって、凄いウザイんですよ。
原田:
「スキッピー」と「アグリ・ビューティー」という選曲がいいんですよ。
八田:
あれは腹立ちますからやめましょう。『サード・ディケード』の音ってどんなでしたっけ?
村井:
『アーバン・ブッシュメン』と『サード・ディケード』とどっちにしようか、という話で、長いのは嫌だっていう説が出て、「オドワラ」までは耐えられないって。
須藤:
テーマが出てくるまでに10分間ぐらいあるし。
八田:
でも『アーバン・ブッシュメン』は最後まで聴いていると超スイングする「オドワラ」で開放されて気持ちいいんですよね。
須藤:
だったら、「オドワラ」だけでいいじゃない。絶対辿りつけないの。
村井:
我慢が足りないんだよ。アートアンサンブルを聴くってことは、我慢の後に、快楽が待っている、っていうことなんだから。
後藤:
それがわかんなきゃ。
須藤:
今の人には通じないでしょう(笑)。
村井:
だからさ、熱いお風呂に入って、ビールだ、ビールだっていう感覚(笑)。
八田:
日野さんの『ダブル・レインボー』っていいアルバムですか? 聴いたことないんですけど。
村井:
菊地プーさんが全面的関与。
八田:
じゃ、あげましょう。
須藤:
あまりにも『ススト』が有名すぎて。
村井:
あれさ、CDになったら頭の部分がカットされちゃったでしょう。
須藤:
え、気づいてなかった。
八田:
『ユナイテッド』残してくださったんですね。いいアルバムですよね。
須藤:
『ダブル・レインボー』はちゃんと聴いて欲しいなぁ。

※ この原稿は2008年7月5日に都内某所で行われた座談会の模様を再構成したものです。