<?xml version="1.0" encoding="UTF-8"?>
<rss version="2.0">
  <channel>
    <title>com-post</title>
    <link>http://com-post.jp/</link>
    <description></description>
    <language>ja</language>
    <generator>Nucleus CMS v3.31SP1</generator>
    <copyright>&#169;</copyright>
    <category>Weblog</category>
    <docs>http://backend.userland.com/rss</docs>
    <image>
      <url>http://com-post.jp/nucleus/nucleus2.gif</url>
      <title>com-post</title>
      <link>http://com-post.jp/</link>
    </image>
    <item>
 <title>オーストリア時代 3（1955年～1958年）</title>
 <link>http://com-post.jp/?itemid=610</link>
<description><![CDATA[1955年、グルダとのコラボが始まり、「オール・スターズ」は「フリードリヒ・グルダ・アンド・ジ・オーストリアン・オールスターズ」というラジオ番組に出演するようになる。グルダは番組で使った曲をアメリカン・ツアーでもとりあげ、「ダウンビート」の投票で第５位に輝いたことから初のジャズ作を録音する機会も得た。帰国後、グルダはウィーン放送協会からオーケストラの編成を託されるが、オリジナルの演奏が条件でザヴィヌルに助力を要請する。「契約書には約九〇曲が必要と書かれていた。グルダは、ふたりで半分ずつ書こうといってきた。彼は私が“書ける”と思っていたんだ。...二五曲ほど書いたかな。グルダが残りを書いてくれた。私は書くのが遅かった」と語っている。ザヴィヌルはオーケストラのメンバーにも抜擢された。「すばらしいバンドだった。どんな曲でも演奏したよ。シュトラウスの曲さえもね」という回想に照らしてジャズ一本ではなさそうだ。<br />
<br />
前回、「オール・スターズ」は新しい年を新しいバンドで迎えることになると結んだが、その後に同年２月時点で彼らが在籍していないことが判明した。ヴィンター楽団解散後に空白が生じ、グルダとのコラボが先行した可能性が浮上したので、先にそちらにふれた。入団は早くても３月以降だろう。クラウス・シュルツ（ラジオ司会者）によれば、彼らの参加によりダンス・バンドだった楽団にモダン・ジャズの味わいが加わり、ソロイストをフィーチャーするようにもなったという。ザヴィヌルも「ワンセットだけセクステットで演奏させてくれることもあった。...アイデアを試すチャンスをくれたんだ。...ジャズ・ミュージシャンではなかったけれど...創造的なことに理解を示してくれた」と評価する。この年に録音された５曲（月日不明／Philips）はLP化されていない。ジャズ＆ダンス・バンドとされるが、ストリングスやコーラスが入る曲もあり大して期待できなさそうだ。<br />
<br />
この年の記録で入手しうるのは「オールスターズ」の録音しかない。まずはクインテット録音４曲（１月／HMV）だ。反響を呼んだ前月のコンサートでグループの楽想はウエスト・コースト系だったが、ここではクール派に近い。ソロモンはリー・コニッツ、ドレヴォはウォーン・マーシュ寄り、ザヴィヌルは端正なウエスト派とシアリングの折衷系でいく。なかでは全面にフィーチャーされた《水辺にたたずみ》が一番の聴き物だ。弾むタッチのスインギーなシングル・トーンとロックド・ハンズを案配したソロで進境を実感できる。セクステット録音２曲（９月／Austroton）にはディック・マーフィー（トランペット）が参加、楽想はウエスト・コースト系だ。マーフィーは危なげなところも含めてチェット・ベイカー風、ソロモンはゲラー風、ドレヴォはシムズ風に戻る。《バッズ・ジャンプ》を筆頭に、ザヴィヌルがウエスト系パウエリアンの闊達で軽快なタッチを見せて興味深い。<br />
<br />
1956年に移って、アーウィン・ホーレッツ楽団（実体はフェーリング楽団）の１曲（月日不明／Heliodor）、フェーリング楽団の４曲（３月／Philips）と３曲（月日不明／同）、「オールスターズ」にギターが加わる「フェーリング・コンボ」の４曲（同／同）もまたディスコグラフィー上の存在にすぎない。この時期の録音としてはドレヴォのカルテット録音《ラ・マキューラ》（２月／Mastertone）がコンピ盤『クール・ヴィエナ1953‐61』（RST）で聴ける。テンポは早いが元ネタはシェリー・マン（ドラムス）の演奏（1953年４月／Contemporary『ザ・ウエスト・コースト・サウンド』収録）だ。ドレヴォは本家のペッパーに倣ってアルト流の吹奏で、ザヴィヌルはペイチに倣って硬質なタッチで通す。同年春、ドレヴォとザヴィヌルは退団する。高待遇だったがコマーシャルな仕事が多く、リーダーもリハーサルにも現れない彼らのスター然とした態度に業を煮やし始めていた。<br />
<br />
その頃に録られた「オールスターズ」のセクステット／クインテット録音３曲（春／Pathe-Marconi）は未発表のままだ。二人は行動を共にした。ドレヴォのクインテット録音《ズート》（５月／Brunswick）もEP盤で入手難（注）だ。二人は夏にオクテットを結成、週に１度はラジオにも出演していたという。このバンドについてザヴィヌルは「私たちのやっていたことのほとんどは、“軽いもの”だった。人々はアメリカの西海岸の音楽しか知らなかったからね。だからリクエストされるのはいつもそういうものばかり」だったと振り返る。秋頃？に二人はスイング系クラリネット奏者、ファティ・ジョージのバンドに参加する。この年、名をあげていたジョージは、新しいバンドを結成するためモダン派を引き連れてウィーンに戻ってきていた。ザヴィヌルは作編曲も任され、バンドはトラディショナルもモダンも演奏する「トゥー・サウンズ・バンド」として知られるようになる。<br />
<br />
バンドのコンサート・ライヴ12曲（1956年12月／放送録音）が『ファティ・ジョージ・オン・ジ・エアー』（RST）としてCD化されている。ザヴィヌルの参加曲はカルテット～セクステットによるスイング～モダン系の６曲とオクテットによるブルース系の３曲で、前者ではピアノを弾き、後者ではバス・トランペット！を吹く。前者に見るファンキーな語り口、ドライヴィングな乗り、ドミナントによるアクセント、華麗なトゥー・ハンズは明らかにオスカー・ピーターソン流だ。ソロモンが「JATPを見るために、ミュンヘンまで行ったことがある。...オスカー・ピーターソンが演奏していたときだった。ジョーは彼を見て、本当に衝撃を受けていた」と証言している。前述の《ラ・マキューラ》（２月）にオスカーの影は見られない。ザヴィヌルらが観たのは２月末に催された公演と見られる。昔とった杵柄で吹いたバス・トランペットはバック・リフ程度でとくに言うこともない。<br />
<br />
演奏はブルース～ディキシー～スイング～モダンと広範で、コルネットとトロンボーンはディキシー派、ジョージはベニー・グッドマン系のスイング派、ドレヴォはモダン派だが、不思議と違和感はない。ジョージとビル・グラー（ヴァイブ）を筆頭にどうして達者だ。このバンドについてザヴィヌルは「あれほどいろいろなことをやるバンドを経験したのはあのときだけだね。キング・オリヴァー風のディキシーランド・ジャズ、レニー・トリスターノ風のクール・ジャズ、ホレス・シルヴァーみたいなファンキー・ジャズ、ディジー・ガレスピー風のビバップ……、なんでも演奏した」と語っている。こうしたバンドの融通無碍さから音楽的には意見が一致しないことが多かったともいう。このあともバンドではテンテットで２曲（1957年２月／Telefunken）、セプテット／オクテットで５曲（９月／同）、同様の編成で未発表を含む？４曲（1958年３月／同）を残しているが入手は難しい。<br />
<br />
1957年３月は録音が相次いだ。まずはトリオで初のリーダー録音（Continent）に臨む。ストレートに弾き進む《イージー・リヴィング》では突如ガーナー・スタイルを挿入し、《ホワット・ア・ディファレンス・ア・デイ・メイド》ではシルヴァー流（ジョン・ウィリアムスに近い）のファンキー・タッチで迫り、《ビート》ではオスカー流のロックド・ハンズで畳みかける。相変わらず大忙しだが志向は黒くなった。９日後、クインテットで「オールスターズ」のラスト録音３曲（未発表）に臨む。不参加の《カルテット》は中欧ジェリー・マリガン・カルテットだ。ハードバピッシュな《シェレモヤ》とバピッシュな《チュニジアの夜》でシルヴァー流のメリハリが効いた弾むようなタッチのソロをとる。これら３曲でマーフィーはベイカー風で、テナーを吹くソロモンはボブ・クーパー風だ。トリオの３曲と「オールスターズ」の３曲は『...オール・スターズ』（RST）で聴ける。<br />
<br />
４日後、バド・シャンク（アルト／フルート）＝ボブ・クーパー（テナー／オーボエ）・チームの放送録音６曲（同月）に参加した。ほぼアルバート・マンゲルスドルフ（トロンボーン）が加わるセクステット／クインテット録音で、１曲を除きシャンク＝クーパーの『ヨーロピアン・ツアー'57』（Lonehill）で聴ける。ザヴィヌルのアプローチは４日前と大差ないが出来は断然いい。本物との共演に奮起したのだろう、逸るタッチに意気込みが窺える。《イージー・リヴィング》もガーナー節は余計だが心優しい佳演だ。これまでは個性の確立以前にスタイルが定まらなかった。楽歴の初期にこれほど遍歴を重ねた大物を知らない。仲間も同様だ。ジャズの僻地に生きる者の習性ではないか。好演や快演がないわけではないが、色んなスタイルが同居し粒揃いでもない。それがここに至ってようやく方向性が定まり個性の萌芽も窺える。しかも粒揃いだ。初期のベストではないかと思う。<br />
<br />
　ジャズ・ミュージシャンがコマーシャリズムを受け入れざるをえないウィーンにあってジョージのバンドはジャズが中心だった。入団は最善の選択で、いい生活も送れていた。しかし音楽的な成長は望めずザヴィヌルは渡米を決意する。当時は簡単なことではない。移住制限はあったし渡航費も相当にかかった。そんななか幸運が舞い込む。「ウィーンの図書館にはイングリッシュ・リーディング・ルームという部屋があり...よくそこへ出かけた。“ダウンビート”を読むためだ。街全体で二部くらいしかなかった」と語っている。ある号にバークリー音楽院の奨学生募集の知らせが載り、４カ月は講習料無料とあった。ジョージ・バンドの《レッド・トップ》（1957年９月）を送り審査にパスする。未聴だが、スタイルが一定しないトリオ録音や「オールスターズ」録音にしなかったのは正解だろう。1959年１月２日、ザヴィヌルを乗せた船はアメリカに向けて出港する。もう26歳だった。<br />
<br />
注：５月のコンサート録音とされる同曲と『ファティ・ジョージ・オン・ジ・エアー』に収録された同曲のメンバーは同じだ。５月の時点で二人はバンドに参加していないから後者と同一演奏の可能性が高い。<br />
<br />
<iframe src="http://rcm-jp.amazon.co.jp/e/cm?t=compost0a-22&o=9&p=8&l=as1&asins=B000005GAS&ref=qf_sp_asin_til&fc1=606060&IS2=1&lt1=_top&m=amazon&lc1=0000FF&bc1=000000&bg1=FFFFFF&npa=1&f=ifr" style="width:120px;height:240px;" scrolling="no" marginwidth="0" marginheight="0" frameborder="0"></iframe>　<iframe src="http://rcm-jp.amazon.co.jp/e/cm?t=compost0a-22&o=9&p=8&l=as1&asins=B000005GAN&ref=tf_til&fc1=606060&IS2=1&lt1=_top&m=amazon&lc1=0000FF&bc1=000000&bg1=FFFFFF&npa=1&f=ifr" style="width:120px;height:240px;" scrolling="no" marginwidth="0" marginheight="0" frameborder="0"></iframe>　<iframe src="http://rcm-jp.amazon.co.jp/e/cm?t=compost0a-22&o=9&p=8&l=as1&asins=B000005GAH&ref=tf_til&fc1=606060&IS2=1&lt1=_top&m=amazon&lc1=0000FF&bc1=000000&bg1=FFFFFF&npa=1&f=ifr" style="width:120px;height:240px;" scrolling="no" marginwidth="0" marginheight="0" frameborder="0"></iframe><br />
<br />
<iframe src="http://rcm-jp.amazon.co.jp/e/cm?t=compost0a-22&o=9&p=8&l=as1&asins=B000FFJ7DQ&ref=tf_til&fc1=606060&IS2=1&lt1=_top&m=amazon&lc1=0000FF&bc1=000000&bg1=FFFFFF&npa=1&f=ifr" style="width:120px;height:240px;" scrolling="no" marginwidth="0" marginheight="0" frameborder="0"></iframe>]]></description>
 <category>column</category>
<comments>http://com-post.jp/?itemid=610</comments>
 <pubDate>Sat, 28 Apr 2012 10:21:47 +0900</pubDate>
</item><item>
 <title>Carlos Nino &amp; Friends : AQUARIUSSSSSSS</title>
 <link>http://com-post.jp/?itemid=609</link>
<description><![CDATA[このアルバムの発売から随分経っているが、先日ふとカルロス・ニーニョについて書いてみようと思った。<br />
<br />
このアルバムは近年の作品でチルアウト～アンビエント的な志向を取ってきたカルロスが辿り着いたある種の到達点のように思える。アンビエント的な表現ではもうこの先ははないのではないかそんなことを考えてしまうほど、このアルバムは完成されているように思う。<br />
<br />
僕がこのアルバムを聴いた時に頭に浮かんだのは「Memories Of Lee Morgan」という曲だった。ファラオ・サンダースの『Village Of The Pharoahs』というアルバムに収録されているこの曲は、ハープの音色が印象的なスロウテンポで、ある層にアンビエント的に再発見された曲の一つだ。天上の偉大な魂を弔うこの曲がもっている柔らかさやファラオらしい大らかでラフな展開はカルロスの音楽にも共通したものがある。<br />
<br />
思い起こせばカルロス・ニーニョと言う人はファラオへのリスペクトを何のてらいもなく自身の作品に反映させてきた音楽家だった。ファラオはアシッドジャズ以降に再評価され、90年代以降は行き過ぎとも言えるほどの人気と評価を得たテナーサックス奏者だが、ファラオへのリスペクトを過剰に表現するほどの信奉者はさすがに他にはいなかったように思える。（※90年代以降のコレクターの猛烈な探究心による発掘によりファラオの影響をそのまま反映したようなローカルジャズバンドなんかの存在が確認されたりはしている。例えば、最近UKのJAZZMANがリイシューしたAZANYAH / THE ONEあたりはその際たるものかもしれない。）<br />
<br />
カルロスはジャズプロジェクトでもあるビルド・アン・アーク（BUILD AN ARK）では1stの『Peace With Every Step』でファラオの代表曲「You've Got To Have Freedom」を、2nd『DAWN』では「Healling Song」「You Yourself Are The Key To The Universe」を、3rd『LOVE』では「Love Is Everywhere」を、更にヒップホップアルバムの『Carlos Nino & Lil Sci/What’s The Science? Elevation』ではビルド・アン・アークでもカヴァーした「You've Got To Have Freedom」を大胆にネタに使い「Freedom」という曲を作った。もはやお決まりのようにさえなっているくらいにファラオを取り上げてきた。特定の音楽家へのリスペクトをここまでまっすぐに表明する人もなかなか珍しい。<br />
<br />
そう考えると、カルロスが懇意にしているボーカリスト　ドゥワイト・トリブル(DWIGHT TRIBLE)の過剰とも言えるビブラートや揺らぎのある歌も、黒人性云々と言うよりはファラオの黄金期にどのメンバーよりも重要な役割を担っていたとも言えるほどの存在感を放っていたボーカリスト、レオン・トーマスのヨーデル唱法と似た質感を持っているようにも思えてくる。トリブルそのものの魅力も無論あるのだが、サンプリング感覚でその質感を欲しがったと考えてみるのもヒップホップのクリエイターの発想としては遠くない気もする。<br />
<br />
そしてカルロスと言えばミゲル・アットウッド・ファーガソン(MIGUEL ARTWOOD-FERGUSON)の存在も欠かせない。ポストクラシカルが注目されるのと同じようなタイミングでこのアレンジャーの存在も広く脚光を浴びているが、ミゲルの起用は無論ポストクラシカルの文脈ではないはず。正直僕はファラオ経由のブラックジャズ志向のカルロスがなぜクラシックのようなストリングアレンジを求めたのかについてぼんやりと違和感があった。ただ、そこにもファラオの周辺の人脈を挟んでみると意外とすっきり収まりがつくかもしれない。僕はそこにアリス・コルトレーンを置いてみたい。アリスとファラオは度々共演している間柄であり、アリスもまた90年代以降にクラブシーンからのラブコールによりその評価が急上昇した音楽家の一人だ。アリスの音楽にはカルロスのサウンドを思い起こさせるような要素が数多く含まれている。その一つがストリングスだ。ただ、アリスはストリングスをジャズではお決まりの“with stringsもの”とは全く違う文脈で使っているのが特徴的だ。それはアリスのブラックジャズ的志向やサイケデリック志向から来るもので、どちらかと言うとプログレッシブロックにおけるクラシック志向と近いものがある。優雅と言うよりは怪しさや妖しさかもしれないし、トランシーなトリップ感を演出するためと言った方が近い。そこにアリスのハープが絡む時の心地良さと同時に何かいけないものを見ているような感覚が生まれるサウンドが真夜中の甘美なダンスフロアを彩るのは容易に理解できる。ミゲルの起用をこの文脈で捉えてみるのはあながち遠いことではない気がする。<br />
<br />
また例えば、「Alice Coltrane / World Galaxy」などに象徴されるようなインド音楽への傾倒、電子音使いなどもカルロスの音楽性と同じ雰囲気を感じる。特に「Build An Ark / Love」や「Carlos Nino & Friends / High With A Little Help From」、そして「AQUARIUSSSSSSS」に漂ういかがわしさや胡散臭さはアリスが持っていたものとかなり近いのではないかという気がする。<br />
僕にとってカルロスはビルド・アン・アークの1st、2nd以降もファラオやアリスを始としたジャズの匂いがする音楽家としてありつづけている。<br />
<br />
またカルロスはファラオ、アリスはもとより、ある時代のアメリカの黒人ジャズミューシャンへのリスペクトを口にし、彼らの曲をカヴァーし、また自身の作品にゲストとして参加させたりしてきた。例えば、サン・ラであり、スタンリー・カウエルらのStrata Eastレーベルであり、フィル・ラネリンらのTribeレーベルの人脈であり、ネイト・モーガンらのNimbusレーベル人脈である。この辺りを見ているとカルロスは90年代以降にクラブシーンから再評価された「スピリチュアルジャズ」と真正面から対峙している数少ない音楽家と言えるかも知れないと思える。掘り起こしてはすぐ次へ行くのがクラブシーンのDigger的宿命とも言えるのに対し、カルロスは新しいものを次々と摂取しながらも頑ななまでにスピリチュアルジャズと向き合い続けている。スピリチュアルジャズ再評価とは何だったのか、スピリチュアルジャズとは何だったのか、カルロスはその答えの一片をそのサウンドで、そして彼の作品を形作るあらゆるものを通して僕らに提示してくれているように思う。ビルド・アン・アークから今回の名義まで、彼の行為は批評に近いのかもしれない。そして、この行為がジャズの歴史の更新/見直しの契機になっているとさえ僕には思える。マッドリブの「MADLIB MEDICINE SHOW #8: ADVANCED JAZZ」(<a href="http://www.stonesthrow.com/news/2010/08/madlib-medicine-show-no-8-advanced-jazz">⇒ リンク </a>)のジャケのイラストが示すものを当たり前のものとして受け止められたのはカルロスの批評に触れていたからかもしれない。※1<br />
<br />
僕はこの『AQUARIUSSSSSSS』をスピリチュアルジャズの事を頭の片隅に置きながら聴く。彼のアンビエント表現が持つジャズの匂いを感じ取りながら聴く。そして、今のカルロスが見つめているであろう（全く想像もつかない）次のサウンドを想像している。そのサウンドが再びジャズの埋もれた側面を照射してくれることを期待して。※2<br />
<br />
<br />
※1<br />
スピリチュアルジャズについては、UKのSOULJAZZレーベルや日本製作のストラタイーストやトライブのコンピレーションなどもあった。これらは素晴らしい仕事だったと思うし、これらから始まったものも多い。ただ、カルロスがじっくりと様々な方向からスピリチュアルジャズについて考えさせてくれることを僕は全く別のベクトルで評価している。先人たちをレコーディングに引っ張り出したことも含めて、これまでのジャズの正史の中では埋もれていた歴史を現在の、そして未来との繋がりの中で、しかも音楽で提示したことは大きい。<br />
<br />
※2<br />
実際にはカルロスはジャズだけではなく、幅広い音楽を摂取してそこからの影響をフィードバックさせている音楽家だ。彼の音楽から感じ取れるのはジャズだけでなく、ボスコ＆ジョルジュやタウン＆カントリーのようなポストロックや音響派から、フォーク、ロックにエレクトロニカなどまで彼の音楽から想起できたし、実際にはカルロスはヒップホップのクリエイターだと考えた方が良いだろうし、ブリストル～トリップホップなどの匂いもある気がする。ただ、ここまでジャズへの執着に近いほどの愛情（と深い造詣）を感じる他ジャンルの音楽家も珍しいと言う点で僕はずっと関心を持っている。<br />
<br />
※おまけ<br />
カルロスがアモンコンタクトからビルド・アンアーク、そしてフォーキーなTurn On The Sunlightやアンビエントな近作へと至った経緯をファラオと照らし合わせてみてはどうだろう。ESPのフリージャズからデビューし、インパルスでブラックジャズを、間でストラタイーストにも録音、そしてインパルスでも徐々に音楽性を壮大でアトモスフィックな要素をたたえた楽曲が増え、India Navigationでの『Phaoah』でその方向性は飽和する。本作はカルロスのアンビエント的な方向性の終着点のように思える。ここから先、どうするのか。まったく想像がつかない。行くところまで行っちゃったよなとなんだかなげやりな気になってみたりもする。でも、それを勝手にファラオを元に見通せば楽観的に見れる気がする。インパルス期の壮大さをフュージョン時代の柔らかさで包んだようなTheresa期、ノーマン・コナーズとの共演作やアリスタでのブラコン/フュージョン作『Love Will Find A Way』、インパルス期の勢いを取り戻したようなアコースティックジャズの傑作『Live』、そしてフュージョンやレゲエ、ソウルやディスコを取り入れたポップなジャズを展開したTimeless期とその後もなかなか充実しているのだ。カルロスももしかしたらファラオと同じように様々な音楽性に揺れながら傑作、快作を出し続けるのかもしれない。レゲエやポップなダンスミュージックさえ発表するかもしれない。そんなことを考えるとなかなか楽しい。カルロス的「Oh Lord, Let Me Do No Wrong」「Moon Child」なんて想像するだけで、わくわくするでしょ？<br />
<div style="text-align: right">（柳樂光隆）</div><br />
<iframe src="http://rcm-jp.amazon.co.jp/e/cm?t=compost0a-22&o=9&p=8&l=as1&asins=B006ZH1DPI&ref=qf_sp_asin_til&fc1=606060&IS2=1&lt1=_top&m=amazon&lc1=0000FF&bc1=000000&bg1=FFFFFF&npa=1&f=ifr" style="width:120px;height:240px;" scrolling="no" marginwidth="0" marginheight="0" frameborder="0"></iframe><iframe src="http://rcm-jp.amazon.co.jp/e/cm?t=compost0a-22&o=9&p=8&l=as1&asins=B000QUCXGI&ref=qf_sp_asin_til&fc1=606060&IS2=1&lt1=_top&m=amazon&lc1=0000FF&bc1=000000&bg1=FFFFFF&npa=1&f=ifr" style="width:120px;height:240px;" scrolling="no" marginwidth="0" marginheight="0" frameborder="0"></iframe><iframe src="http://rcm-jp.amazon.co.jp/e/cm?t=compost0a-22&o=9&p=8&l=as1&asins=B0076VAL6O&ref=qf_sp_asin_til&fc1=606060&IS2=1&lt1=_top&m=amazon&lc1=0000FF&bc1=000000&bg1=FFFFFF&npa=1&f=ifr" style="width:120px;height:240px;" scrolling="no" marginwidth="0" marginheight="0" frameborder="0"></iframe><iframe src="http://rcm-jp.amazon.co.jp/e/cm?t=compost0a-22&o=9&p=8&l=as1&asins=B0001W8IZG&ref=qf_sp_asin_til&fc1=606060&IS2=1&lt1=_top&m=amazon&lc1=0000FF&bc1=000000&bg1=FFFFFF&npa=1&f=ifr" style="width:120px;height:240px;" scrolling="no" marginwidth="0" marginheight="0" frameborder="0"></iframe><iframe src="http://rcm-jp.amazon.co.jp/e/cm?t=compost0a-22&o=9&p=8&l=as1&asins=B002P6F8RW&ref=qf_sp_asin_til&fc1=606060&IS2=1&lt1=_top&m=amazon&lc1=0000FF&bc1=000000&bg1=FFFFFF&npa=1&f=ifr" style="width:120px;height:240px;" scrolling="no" marginwidth="0" marginheight="0" frameborder="0"></iframe><iframe src="http://rcm-jp.amazon.co.jp/e/cm?t=compost0a-22&o=9&p=8&l=as1&asins=B00154QT28&ref=qf_sp_asin_til&fc1=606060&IS2=1&lt1=_top&m=amazon&lc1=0000FF&bc1=000000&bg1=FFFFFF&npa=1&f=ifr" style="width:120px;height:240px;" scrolling="no" marginwidth="0" marginheight="0" frameborder="0"></iframe><iframe src="http://rcm-jp.amazon.co.jp/e/cm?t=compost0a-22&o=9&p=8&l=as1&asins=B005L3HK9A&ref=qf_sp_asin_til&fc1=606060&IS2=1&lt1=_top&m=amazon&lc1=0000FF&bc1=000000&bg1=FFFFFF&npa=1&f=ifr" style="width:120px;height:240px;" scrolling="no" marginwidth="0" marginheight="0" frameborder="0"></iframe><iframe src="http://rcm-jp.amazon.co.jp/e/cm?t=compost0a-22&o=9&p=8&l=as1&asins=B00286Q6P2&ref=qf_sp_asin_til&fc1=606060&IS2=1&lt1=_top&m=amazon&lc1=0000FF&bc1=000000&bg1=FFFFFF&npa=1&f=ifr" style="width:120px;height:240px;" scrolling="no" marginwidth="0" marginheight="0" frameborder="0"></iframe><iframe src="http://rcm-jp.amazon.co.jp/e/cm?t=compost0a-22&o=9&p=8&l=as1&asins=B00599UGJW&ref=qf_sp_asin_til&fc1=606060&IS2=1&lt1=_top&m=amazon&lc1=0000FF&bc1=000000&bg1=FFFFFF&npa=1&f=ifr" style="width:120px;height:240px;" scrolling="no" marginwidth="0" marginheight="0" frameborder="0"></iframe><iframe src="http://rcm-jp.amazon.co.jp/e/cm?t=compost0a-22&o=9&p=8&l=as1&asins=B003VPG884&ref=qf_sp_asin_til&fc1=606060&IS2=1&lt1=_top&m=amazon&lc1=0000FF&bc1=000000&bg1=FFFFFF&npa=1&f=ifr" style="width:120px;height:240px;" scrolling="no" marginwidth="0" marginheight="0" frameborder="0"></iframe><iframe src="http://rcm-jp.amazon.co.jp/e/cm?t=compost0a-22&o=9&p=8&l=as1&asins=B00002743B&ref=qf_sp_asin_til&fc1=606060&IS2=1&lt1=_top&m=amazon&lc1=0000FF&bc1=000000&bg1=FFFFFF&npa=1&f=ifr" style="width:120px;height:240px;" scrolling="no" marginwidth="0" marginheight="0" frameborder="0"></iframe><iframe src="http://rcm-jp.amazon.co.jp/e/cm?t=compost0a-22&o=9&p=8&l=as1&asins=B00042YBX6&ref=qf_sp_asin_til&fc1=606060&IS2=1&lt1=_top&m=amazon&lc1=0000FF&bc1=000000&bg1=FFFFFF&npa=1&f=ifr" style="width:120px;height:240px;" scrolling="no" marginwidth="0" marginheight="0" frameborder="0"></iframe>]]></description>
 <category>disc review</category>
<comments>http://com-post.jp/?itemid=609</comments>
 <pubDate>Thu, 26 Apr 2012 00:12:46 +0900</pubDate>
</item><item>
 <title>【tactile sounds vol. 07】のご案内</title>
 <link>http://com-post.jp/?itemid=608</link>
<description><![CDATA[<b>tactile sounds vol. 07</b><br />
2012年 5月 12日（土） open 14:30／start 15:00 <br />
<br />
<a href="xml-rss2.php?imagepopup=11/20120424-tactile7.jpg&amp;width=634&amp;height=900&amp;imagetext=" onclick="window.open(this.href,'imagepopup','status=no,toolbar=no,scrollbars=no,resizable=yes,width=634,height=900');return false;" class="thumbnail"><a href="http://com-post.jp/media/thumbnail/11_20120424-tactile7.jpg"></a></a><br />
<br />
橋爪亮督 - tenor & soprano saxophones<br />
浅川太平 - piano<br />
<br />
■会場<br />
綜合藝術茶房 喫茶茶会記<br />
東京都新宿区大京町2-4 1F　〒160-0015<br />
<a href="http://sakaiki.modalbeats.com/">http://sakaiki.modalbeats.com/</a><br />
<br />
■料金 　￥2,800（1ドリンク付き）<br />
<br />
■ご予約・お問い合わせ <br />
綜合藝術茶房 喫茶茶会記 <br />
tel：03-3351-7904（15：00〜23：00）<br />
mail：sakaiki@modalbeats.com（標題をtactile sounds vol. 07としてください）<br />
<br />
最新の情報は下記をご覧ください。<br />
<a href="http://tactilesounds.dtiblog.com/">http://tactilesounds.dtiblog.com/</a>]]></description>
 <category>special</category>
<comments>http://com-post.jp/?itemid=608</comments>
 <pubDate>Wed, 25 Apr 2012 18:00:00 +0900</pubDate>
</item><item>
 <title>【tactile sounds vol. 06】堅固なコンビネーションを新たな地平に導く、NYで鍛えられたベース・サウンド</title>
 <link>http://com-post.jp/?itemid=606</link>
<description><![CDATA[「tactile sounds」は2年目に突入、奇しくも初回と同じくテナー・サックス＋ギター＋ベースという編成となった。橋爪亮督と馬場孝喜はデュオを組んで3年程になるが、2011年8月にニューヨークから帰国した<a href="http://basszakota.exblog.jp/">座小田諒一</a>とは初共演となる。帰国直後から多くのライヴ・スポットで彼の名を目にする機会は増える一方で、気にはなっていたのだが、実際に演奏を聴くのはこの日が初めて。<br />
<br />
<a href="xml-rss2.php?imagepopup=11/20120424-01.jpg&amp;width=640&amp;height=480&amp;imagetext=" onclick="window.open(this.href,'imagepopup','status=no,toolbar=no,scrollbars=no,resizable=yes,width=640,height=480');return false;" class="thumbnail"><a href="http://com-post.jp/media/thumbnail/11_20120424-01.jpg"></a></a>　<a href="xml-rss2.php?imagepopup=11/20120424-02.jpg&amp;width=640&amp;height=480&amp;imagetext=" onclick="window.open(this.href,'imagepopup','status=no,toolbar=no,scrollbars=no,resizable=yes,width=640,height=480');return false;" class="thumbnail"><a href="http://com-post.jp/media/thumbnail/11_20120424-02.jpg"></a></a><br />
<br />
座小田は元々クラシックのコントラバスを専攻していたが、米国留学中にジャズに目覚めたという変わり種。マンハッタンにあるニュー・スクールのジャズ科を卒業してからも現地で演奏活動を続けてきた。今のニューヨークの風を、どのように演奏に注ぎ込んでくれるのか、期待は高まる。<br />
<br />
<a href="xml-rss2.php?imagepopup=11/20120424-03.jpg&amp;width=640&amp;height=480&amp;imagetext=" onclick="window.open(this.href,'imagepopup','status=no,toolbar=no,scrollbars=no,resizable=yes,width=640,height=480');return false;" class="thumbnail"><a href="http://com-post.jp/media/thumbnail/11_20120424-03.jpg"></a></a>　<a href="xml-rss2.php?imagepopup=11/20120424-04.jpg&amp;width=640&amp;height=480&amp;imagetext=" onclick="window.open(this.href,'imagepopup','status=no,toolbar=no,scrollbars=no,resizable=yes,width=640,height=480');return false;" class="thumbnail"><a href="http://com-post.jp/media/thumbnail/11_20120424-04.jpg"></a></a><br />
<br />
まずベースの柔らかく伸びのある豊かな低域に耳が引き寄せられる。アンプを使っていたので、休憩時に使わなくても良いのではないかと問うと、モニター用に高域を強調をしているだけで、ほとんど音を出していない状態だという。実際、ニューヨークの現場ではほとんどアンプを使っていなかったという。<br />
<br />
<a href="xml-rss2.php?imagepopup=11/20120424-05.jpg&amp;width=640&amp;height=480&amp;imagetext=" onclick="window.open(this.href,'imagepopup','status=no,toolbar=no,scrollbars=no,resizable=yes,width=640,height=480');return false;" class="thumbnail"><a href="http://com-post.jp/media/thumbnail/11_20120424-05.jpg"></a></a>　<a href="xml-rss2.php?imagepopup=11/20120424-06.jpg&amp;width=640&amp;height=480&amp;imagetext=" onclick="window.open(this.href,'imagepopup','status=no,toolbar=no,scrollbars=no,resizable=yes,width=640,height=480');return false;" class="thumbnail"><a href="http://com-post.jp/media/thumbnail/11_20120424-06.jpg"></a></a><br />
<br />
音数が多いほうではないが、そのときの音楽の進行に寄り添うように繰り広げられる演奏は、共演者を的確にサポートするという意味においては高い水準に達している。唸りながらのソロも、音程の跳躍の仕方など、なかなか個性的だ。だが、音楽の流れをリードしていくという積極性は、残念ながらあまり感じられなかった。初共演の二人の様子を窺っていたという側面はあるにしろ、その部分は今後の課題だろう。<br />
<br />
<a href="xml-rss2.php?imagepopup=11/20120424-07.jpg&amp;width=640&amp;height=480&amp;imagetext=" onclick="window.open(this.href,'imagepopup','status=no,toolbar=no,scrollbars=no,resizable=yes,width=640,height=480');return false;" class="thumbnail"><a href="http://com-post.jp/media/thumbnail/11_20120424-07.jpg"></a></a>　<a href="xml-rss2.php?imagepopup=11/20120424-08.jpg&amp;width=640&amp;height=480&amp;imagetext=" onclick="window.open(this.href,'imagepopup','status=no,toolbar=no,scrollbars=no,resizable=yes,width=640,height=480');return false;" class="thumbnail"><a href="http://com-post.jp/media/thumbnail/11_20120424-08.jpg"></a></a><br />
<br />
一方の橋爪と馬場、デュオの場合はギターがリズムとハーモニーの双方を受け持たなければならないため、自然とリズミックな演奏に傾きがちだし、ギター・ソロの最中はテナーがベース・ラインを受け持つことも屢々なのだが、ベースの存在は二人にそれ以上の自由度を与えていたようだ。<br />
<br />
<a href="xml-rss2.php?imagepopup=11/20120424-09.jpg&amp;width=640&amp;height=480&amp;imagetext=" onclick="window.open(this.href,'imagepopup','status=no,toolbar=no,scrollbars=no,resizable=yes,width=640,height=480');return false;" class="thumbnail"><a href="http://com-post.jp/media/thumbnail/11_20120424-09.jpg"></a></a>　<a href="xml-rss2.php?imagepopup=11/20120424-10.jpg&amp;width=640&amp;height=480&amp;imagetext=" onclick="window.open(this.href,'imagepopup','status=no,toolbar=no,scrollbars=no,resizable=yes,width=640,height=480');return false;" class="thumbnail"><a href="http://com-post.jp/media/thumbnail/11_20120424-10.jpg"></a></a><br />
<br />
それは選曲面にも顕れており、この日は全体的にゆったりたゆたうような演奏を志向しているように思われた。実は、馬場の演奏に接するのはほぼ1年ぶり。かつては濃厚に漂っていたパット・メスィーニーの影がすっかり払拭され、馬場ならではの個性が確立されていたのには驚かされた。<br />
<br />
<a href="xml-rss2.php?imagepopup=11/20120424-11.jpg&amp;width=640&amp;height=480&amp;imagetext=" onclick="window.open(this.href,'imagepopup','status=no,toolbar=no,scrollbars=no,resizable=yes,width=640,height=480');return false;" class="thumbnail"><a href="http://com-post.jp/media/thumbnail/11_20120424-11.jpg"></a></a>　<a href="xml-rss2.php?imagepopup=11/20120424-12.jpg&amp;width=640&amp;height=480&amp;imagetext=" onclick="window.open(this.href,'imagepopup','status=no,toolbar=no,scrollbars=no,resizable=yes,width=640,height=480');return false;" class="thumbnail"><a href="http://com-post.jp/media/thumbnail/11_20120424-12.jpg"></a></a><br />
<br />
3人が3曲ずつ持ち寄ったのだが、座小田の楽曲は何の違和感もなく融け込んでいた。だが、互いの反応を探り合ううちに予定のプログラムが終了してしまった感は否めない。再び共演したなら、更に深いインタープレイが展開されることだろう。また、別の編成で座小田がリーダーシップを取った音楽も聴いてみたいものだ。<div style="text-align: right">（益子博之）</div> <br />
<br />
<br />
<strong>2012年 2月 11日（土） 15:00</strong>　綜合藝術茶房 喫茶茶会記<br />
<br />
橋爪亮督 - tenor saxophone<br />
馬場孝喜 - electric guitar <br />
座小田諒一 - double bass<br />
<br />
<br />
<strong>1st set:</strong><br />
1. Untitled（座小田諒一）<br />
2. Wordless（橋爪亮督）<br />
3. Door to the insane（馬場孝喜）<br />
4. Dream of the instance（馬場孝喜）<br />
<br />
<strong>2nd set:</strong><br />
1. Sight（橋爪亮督）<br />
2. Laika（橋爪亮督）<br />
3. Untitled（座小田諒一）<br />
4. Dec. 3rd（座小田諒一）<br />
<br />
<strong>encore:</strong><br />
練馬・新宿・宇宙（馬場孝喜）<br />
<br />
<br />
<iframe src="http://rcm-jp.amazon.co.jp/e/cm?lt1=_top&bc1=000000&IS2=1&bg1=FFFFFF&fc1=000000&lc1=0000FF&t=compost0a-22&o=9&p=8&l=as1&m=amazon&f=ifr&ref=tf_til&asins=B007NV7IFE" style="width:120px;height:240px;" scrolling="no" marginwidth="0" marginheight="0" frameborder="0"></iframe>　<iframe src="http://rcm-jp.amazon.co.jp/e/cm?t=compost0a-22&o=9&p=8&l=as1&asins=B006WVXUI0&ref=tf_til&fc1=000000&IS2=1&lt1=_top&m=amazon&lc1=0000FF&bc1=000000&bg1=FFFFFF&f=ifr" style="width:120px;height:240px;" scrolling="no" marginwidth="0" marginheight="0" frameborder="0"></iframe>　<iframe src="http://rcm-jp.amazon.co.jp/e/cm?t=compost0a-22&o=9&p=8&l=as1&asins=B001CRGSU6&ref=tf_til&fc1=000000&IS2=1&lt1=_top&m=amazon&lc1=0000FF&bc1=000000&bg1=FFFFFF&f=ifr" style="width:120px;height:240px;" scrolling="no" marginwidth="0" marginheight="0" frameborder="0"></iframe>　<iframe src="http://rcm-jp.amazon.co.jp/e/cm?t=compost0a-22&o=9&p=8&l=as1&asins=B002M28HSG&ref=tf_til&fc1=000000&IS2=1&lt1=_top&m=amazon&lc1=0000FF&bc1=000000&bg1=FFFFFF&f=ifr" style="width:120px;height:240px;" scrolling="no" marginwidth="0" marginheight="0" frameborder="0"></iframe>]]></description>
 <category>special</category>
<comments>http://com-post.jp/?itemid=606</comments>
 <pubDate>Tue, 24 Apr 2012 18:00:00 +0900</pubDate>
</item><item>
 <title>伊藤嘉章の見解</title>
 <link>http://com-post.jp/?itemid=605</link>
<description><![CDATA[真面目だ、この人は。そしてストイック。<br />
<br />
ラジオから流れてくるような作品を作りたかった、と言うその音は透明で引き込まれる声と独特のグルーヴのベース、ポジティブな歌詞と個性的なコンポジションのどれもが自然であり、同時によく作りこまれている。体は動かされ、演奏し歌う幸福感も伝わって来る気持ちの良い音。<br />
<br />
でも１、２回聞いただけでは、よく見えないところもある。「ラジオから流れる音」と言いながら、かなり  しっかりしたミュージック・ビデオを作っているのは、音だけでは入り込みにくいリスナーを想定しての事かもしれない。<br />
<br />
70-80年代のウエザー、ブレッカー・ブラザース、ジャコ・バンドと言った音のかけらを思わせる仕掛けや、ハーモニーの展開、ベースのバッキングやソロとのやり取りは硬質のジャズ。何度も繰り返し聴いてゆくと、澄んだ声の歌を支える音が手ごわい作りになっているがわかる。2008年の『Esperanza』よりも深くて重い作り。<br />
<br />
色々な音を大量に身につけ、練習の鬼に違いないだろう彼女だが、そんなストイックな姿勢も音を作る楽しさに置き換えられている。ジャズという音楽の可能性に対する彼女の大きな信頼を感じる。<br />
<br />
近年ダンスや歌と言った身体性とご無沙汰気味で他ジャンルにお邪魔する事の多かったジャズだが、即興性と多様性/雑食性の基本に戻り、自ら色々逆襲を始めた流れにも呼応しているのかも知れない。<br />
<br />
<iframe src="http://rcm-jp.amazon.co.jp/e/cm?t=compost0a-22&o=9&p=8&l=as1&asins=B005VR9C42&ref=qf_sp_asin_til&fc1=606060&IS2=1&lt1=_top&m=amazon&lc1=0000FF&bc1=000000&bg1=FFFFFF&npa=1&f=ifr" style="width:120px;height:240px;" scrolling="no" marginwidth="0" marginheight="0" frameborder="0"></iframe><iframe src="http://rcm-jp.amazon.co.jp/e/cm?t=compost0a-22&o=9&p=8&l=as1&asins=B0014HC56K&ref=qf_sp_asin_til&fc1=606060&IS2=1&lt1=_top&m=amazon&lc1=0000FF&bc1=000000&bg1=FFFFFF&npa=1&f=ifr" style="width:120px;height:240px;" scrolling="no" marginwidth="0" marginheight="0" frameborder="0"></iframe>]]></description>
 <category>pick up disc</category>
<comments>http://com-post.jp/?itemid=605</comments>
 <pubDate>Thu, 19 Apr 2012 07:29:45 +0900</pubDate>
</item><item>
 <title>岡本郁生の見解</title>
 <link>http://com-post.jp/?itemid=604</link>
<description><![CDATA[エスペランサが登場したとき、女性ながらウッドベースを弾いて、そのうえ歌も歌って、しかもバークリー音楽大学で最年少講師の記録を更新…といった感じの、初めてづくし的な紹介をされていたような覚えがある。<br />
<br />
へぇ～、女だてらにウッドベース！　なんて興味津々の好奇の目もあったと思うし、実際、この３月に来日した際に会って握手したとき、小柄だしあまりにも華奢な手だったのでちょっと驚いたのだったが、フィジカルな面でハンディはあるとしても、ピアノやドラムス、ギター、そしてもちろんヴォーカルなどではすでに女性が男性と同等の技術や才能を示している例はいくらでもあり、こういう女性ベーシストが出て来るのもぜんぜん不思議ではない。<br />
<br />
さらにいえば、いちおうウッドベースを弾いてるしバークリー出身ってことでジャズっぽい捉えられ方をされているが、彼女の音楽は、少し前だったらジョニ・ミッチェルっぽいと形容されるような種類の音楽で、だからグラミー賞で一般部門の新人賞を獲ったのも当然のことであろう。<br />
<br />
彼女が３月に何をしに来たかといえば、もちろん新作のプロモーションなのだが、そのアルバム『ラジオ・ミュージック・ソサイエティ』の中の11曲のPVをエスペランサ自身が関わって製作しそれをつなげた１時間以上の映画のような作品があり、それを世界初披露という趣向のイベントがあったのである。<br />
<br />
それぞれのPVの完成度は非常に高く、感心させられたが、中に、彼女のセクシュアリティ（おそらく両性愛）を示唆するシーンが何度も出てくのが印象的だった。以前ならば、一世一代の覚悟をもって、清水の舞台から飛び降りるつもりでなければ告白などできなかったような事実である。それを、何の気負いもなく、素直にさらけ出している。<br />
<br />
我々はこういう時代に生きているのだ。そしてエスペランサが聞かせるのは、こういう時代の音楽なのである。そこには、女だからとか、あのジャンルがどうのこうの、なんていう感覚は一切ない。ジャズ、クラシック、R&B、ブルースなどなど、これまでに彼女が聞いてきたあらゆる音楽が彼女の身体を経由してこの世の中に新たな音楽となって誕生しているのだ。あくまでも自然体の音楽家が生み出すピュアな音楽。心にすっと入って来て、昔からの友だちのように寄り添ってくれる音楽だと思う。<br />
<br />
<iframe src="http://rcm-jp.amazon.co.jp/e/cm?t=compost0a-22&o=9&p=8&l=as1&asins=B005VR9C42&ref=qf_sp_asin_til&fc1=606060&IS2=1&lt1=_top&m=amazon&lc1=0000FF&bc1=000000&bg1=FFFFFF&npa=1&f=ifr" style="width:120px;height:240px;" scrolling="no" marginwidth="0" marginheight="0" frameborder="0"></iframe><iframe src="http://rcm-jp.amazon.co.jp/e/cm?t=compost0a-22&o=9&p=8&l=as1&asins=B006J1JJRY&ref=qf_sp_asin_til&fc1=606060&IS2=1&lt1=_top&m=amazon&lc1=0000FF&bc1=000000&bg1=FFFFFF&npa=1&f=ifr" style="width:120px;height:240px;" scrolling="no" marginwidth="0" marginheight="0" frameborder="0"></iframe>]]></description>
 <category>pick up disc</category>
<comments>http://com-post.jp/?itemid=604</comments>
 <pubDate>Thu, 19 Apr 2012 07:23:29 +0900</pubDate>
</item><item>
 <title>八田真行の見解</title>
 <link>http://com-post.jp/?itemid=603</link>
<description><![CDATA[長くなるので先に結論を書いておくと、別に悪い音楽ではなく、ゲストも豪華で細かいところまでそれなりに良く出来ているけれども、個人的にはイビツでヒリヒリするようなところが無い音楽は退屈なので、あまり積極的な関心は持てなかった。ヴォーカリストとしてのエスペランサ・スポールディングはなかなかきれいな声を持っていると思うし、容姿も現代風でかわいいが（ベーシストとしては今ひとつ実力がよく分からない）、音楽的には前回クロス・レビューのお題だったロバート・グラスパー・エクスペリメントと比べても、全体にちょっと古風で聞きどころが少ない、というのが正直な感想である。途中でちらっと出てくるビッグバンド風やゴスペル風とおぼしきアレンジがぱっとしない（というか、どことなく作り物感がある）ところも含めて、なぜかマンハッタン・トランスファーを思い出した。1980年代に青春を過ごした人の心は直撃するのかもしれない。私には、やや古くさく感じられた。<br />
<br />
さて、以下は余談である。<br />
<br />
やや誇張気味かもしれないが、例えば現在のアメリカにおいて、別に熱心な音楽ファンというわけではないごくフツーの人が「ジャズ」と言われて思い浮かべるのは、いわゆる「スムーズ・ジャズ」と呼ばれる音楽ではないかと思う。日本で言うところのフュージョンというか、クロスオーバーというか、そういうタイプのイージーリスニングな音楽である。ネット・ラジオも含め、ジャズ専門のラジオ局というのは多くあるわけだが、そういうところで人気なのも、実はスムーズ・ジャズのチャンネルだったりする。ちなみに、日本人の多くが単に「ジャズ」と言われて思い浮かべるような、４ビートでアク－スティック中心のハードバップないし新主流派的な音楽は、私の印象では全部ひっくるめて「ビバップ」と呼ばれることが多いような気がする。<br />
<br />
ようするに、いわゆるオーソドックスなジャズのリスナーは、ニューヨーク・シティのような「特殊な」地域を除けば、今やアメリカにおいてはほとんど存在しないのだ。特に、ジャズは黒人音楽として出発したにも関わらず、現在の若い黒人とは全く縁遠いものとなってしまっている。今や、ジャズを聴くのも演じるのも多くが白人ないし非黒人で、黒人は大方ヒップホップやコンテンポラリーなR&Bを聴いているのである。<br />
<br />
こうした状況が始まったのはたぶん30年くらい前だが、かつてそこに一石を投じようとした者がいた。ウィントン・マルサリスである。ウィントンは恵まれた出自と能力の全てを投入して、ジャズにクラシック的な格式と、経済的なバックアップを与えるべく奮闘した。その成果が、例えばジャズ・アット・リンカーン・センターであり、あるいは学校におけるジャズ教育の充実である。ウィントンはまた、ジャズは黒人のものであると高らかに宣言して大いにひんしゅくをかったが、これはあの時点ですでに、わざわざ宣言しなければ分からないくらいジャズのアイデンティティが実質的にぼやけたものになっていたことの裏返しでもあろう。<br />
<br />
ウィントンの試みは、半分は成功して、半分は失敗したのだと思う。かつては暴力とドラッグの温床で、社会的にはそれこそ今でいうギャングスタ・ラップ並みの低い扱いだったジャズが完全に社会のメインストリームになったのは、もちろんそれまでに多くの人々による長年の積み重ねがあったにせよ、最終的には確かにウィントンの功績だ。特に、きちんと諸々を制度化するところまで持っていけたのは、ウィントンの卓越した政治力無しにはあり得ないことだったと思う。しかし、そのウィントンの力を持ってしても、オーソドックスなジャズのリスナーを「育てる」ことはうまくいかなかったし、ジャズを経済的に潤うものにすることもできなかった。結果として、ジャズは尊敬される音楽にはなったが、一方で敬して遠ざけられる音楽にもなったのである。1990年代に相次いで大手レーベルからデビューしたウィントン一家の若手たちも、すぐに失速して、今では多くがテレビ番組のバックバンドやレストランのハコバンをやって糊口をしのいでいたりするありさまだ。そして、ジャズと全く縁が無いまま育った世代が、すでに20代後半から30代の働き盛りに達している。彼らにとって、ジャズは当然共通言語ではなく、もしかするとお勉強の対象としての一般教養ですらなく、たぶん完全に歴史に属するものなのだと思う。歴史に属するとは、ようするに、自分とは何のつながりもないということに他ならない。そうした人々が、音楽の聴き手のみならず、作り手の側にも回りつつある。<br />
<br />
ジャズを４ビート、アク－スティック基調のものに純化し、それによってポピュラー・ミュージックとは違う土俵に立とうとしたウィントンとは逆に、ジャズのほうからポピュラー・ミュージックに「侵攻」し、今時のリスナーに歩み寄ろうとする動きも古くからあった。そもそもフュージョンやブラコンは元来がそういう出自のものだったわけで、その最大の成功例がハービー・ハンコックだったのだが、今回クロス・レビューのお題に挙がったエスペランサ・スポールディングのこのアルバムも、あるいは前回のロバート・グラスパーの新作も、結局はそういう流れの一つだと思う。いつの間にかベテランの域に達していたニコラス・ペイトンも、最近ではBAM（Black American Music）と称して、いわゆるジャズの枠を取っ払い、それこそブルーズからマイケル・ジャクソンまで包含したものとして再定義しようと頑張っているようだ。<br />
<br />
私は、こういう動き自体が悪いことだとは思わない。確かにリスナー不在のまま、小難しいことやプリザベーション・ミュージックをやっていても仕方が無いからだ。チャーリー・パーカーにせよ、マイルス・デイヴィスにせよ、なんだかんだ言って生前はそれなりに高い「一般的」人気を誇っていたわけだし、ポピュラリティは非常に重要である。今回のエスペランザの作品にしても、ジャズ限定のチャートではないビルボード200で10位に入ったとかで、売り上げという点でもそれなりに健闘していると思う。<br />
<br />
しかし、これらは結局のところ、ウィントンのコインの裏に過ぎないのではないかという気がしないでもない。端的に言えば、どうしてもジャズとしては中途半端なものにしか聞こえないのだ。これでは、ミイラ取りがミイラになったとしか言いようがないのではないか。ジャズ固有の魅力を打ち出せない限り、だったら変にジャズ臭いものではなくて普通のポップスやR&B聞いたほうがいいよね、という話以上にはならないと思うのである。<br />
<br />
そんなわけで、ウィントン流の戦略も、エスペランザやグラスパーらの戦略も、個人的には結局行き止まりなのではないかと思う。では、もはやジャズには何も可能性が残っていないのかと言えばそうでもなく、彼らの方向だけが全てではないという気もおぼろげにはするのである。ジャズならではのスリルや熱気を保ちながら、ポピュラリティのあることをやっている人がいないわけではないからだ。ただ、そういうものの担い手が大体白人や非黒人だったり、あるいは黒人でも元からヒップホップの人だったりするのが不思議なところだが…。<br />
<br />
<iframe src="http://rcm-jp.amazon.co.jp/e/cm?t=compost0a-22&o=9&p=8&l=as1&asins=B005VR9C42&ref=qf_sp_asin_til&fc1=606060&IS2=1&lt1=_top&m=amazon&lc1=0000FF&bc1=000000&bg1=FFFFFF&npa=1&f=ifr" style="width:120px;height:240px;" scrolling="no" marginwidth="0" marginheight="0" frameborder="0"></iframe><iframe src="http://rcm-jp.amazon.co.jp/e/cm?t=compost0a-22&o=9&p=8&l=as1&asins=B006J9XN9Q&ref=tf_til&fc1=606060&IS2=1&lt1=_top&m=amazon&lc1=0000FF&bc1=000000&bg1=FFFFFF&npa=1&f=ifr" style="width:120px;height:240px;" scrolling="no" marginwidth="0" marginheight="0" frameborder="0"></iframe>]]></description>
 <category>pick up disc</category>
<comments>http://com-post.jp/?itemid=603</comments>
 <pubDate>Thu, 19 Apr 2012 07:20:14 +0900</pubDate>
</item><item>
 <title>村井康司の見解</title>
 <link>http://com-post.jp/?itemid=602</link>
<description><![CDATA[このアルバムを家で聴いていたら、家人が「ねえ、これマントラに似てるね」とつぶやいた。あ、マントラとはもちろん「マンハッタン・トランスファー」のことです。<br />
<br />
なるほど、言われてみればそうですね。ポップさとエキセントリックさが絶妙に入り交じって、ジャズっぽさ・フュージョンっぽさをエンターテインメントの題材として実にうまく使いこなすあたりは、70年代終わりから80年代初めにかけてのマントラ、具体的に言うと『エクステンションズ』や『メッカ・フォー・モダーンズ』を思わせる。<br />
<br />
私はこの２枚が死ぬほど好きで、30年前にほとんど毎日のように聴いていたのだった。今回のエスペランサのこのアルバムが、自分にとって久々のヘヴィ・ローテーションになったのは、そのことと関係があるのかもしれない。<br />
<br />
マントラだけではない。彼女の高くてキュートで、生々しい息遣いが感じられる歌声は、リンダ・ルイスやミニー・リパートンやリッキー・リー・ジョーンズを想起させたりもするし、曲やサウンドに、ジョニ・ミッチェルやスティーリー・ダン（というよりドナルド・フェイゲンの『ナイト・フライ』）の面影が漂ったりもしている。まあなんというか、70年代から80年代にかけての、ジャズの要素をうまく採り入れた、ごく良質のポップ・ミュージックの成果が、この作品にはぎゅっと詰まっているように感じられるのだ。<br />
<br />
でもね、私がこのアルバムに「やられて」しまい、３回立て続けに聴いて「かっこいいなあ、可愛いなあ、気持ちいいなあ」などとだらしなくほざいている理由は、決して「このアルバムが、自分が20代のころ大好きだった音楽に似ているから」、ではない。 こんなこと当たり前に決まっているけど、エスペランサの歌声の魅力や歌いっぷりのキュートさ、彼女の曲作りの才能、「ツボ」をきっちりと押さえたアレンジメント能力のすばらしさに、私は完全にノックアウトされたのだ。<br />
<br />
フォーキーに始まってじわじわと盛り上がる「シナモン・ツリー」や、ポップで軽やかな「ブラック・ゴールド」は大名曲だと思うし、「レット・ハー」のキメのところ（She's gone, byebye so long）の浮遊感は、そこだけを聴きたくて何度もリピートするほどに魅力的だ。 編曲の才能もたいへんなもので、コーラスとリズム・セクションとホーンズが有機的に絡み合って、モザイク状のカラフルなサウンドを構築していくさまは、エスペランサの幅広い音楽的素養と、それを効果的に選択し組み合わせる才能をひしひしと感じさせる。まあ、大編成ホーン・セクションの編曲については、タラ・メモリーの存在が大きいのかもしれないが。<br />
<br />
彼女はこのサウンドをライヴで演奏するために、本人の歌とベース、ギター、キーボード、ドラムスを軸に、コーラス２〜３人、そして６人編成のホーン・セクション（トランペット１，トロンボーン２，アルト・サックス、テナーサックス、バリトンサックス）という編成のバンドでステージに立っているらしい。早く日本に、そのバンドで来ないかなあ。<br />
<br />
<iframe src="http://rcm-jp.amazon.co.jp/e/cm?t=compost0a-22&o=9&p=8&l=as1&asins=B005VR9C42&ref=qf_sp_asin_til&fc1=606060&IS2=1&lt1=_top&m=amazon&lc1=0000FF&bc1=000000&bg1=FFFFFF&npa=1&f=ifr" style="width:120px;height:240px;" scrolling="no" marginwidth="0" marginheight="0" frameborder="0"></iframe><iframe src="http://rcm-jp.amazon.co.jp/e/cm?t=compost0a-22&o=9&p=8&l=as1&asins=B000002I9S&ref=qf_sp_asin_til&fc1=606060&IS2=1&lt1=_top&m=amazon&lc1=0000FF&bc1=000000&bg1=FFFFFF&npa=1&f=ifr" style="width:120px;height:240px;" scrolling="no" marginwidth="0" marginheight="0" frameborder="0"></iframe><iframe src="http://rcm-jp.amazon.co.jp/e/cm?t=compost0a-22&o=9&p=8&l=as1&asins=B000002I8F&ref=qf_sp_asin_til&fc1=606060&IS2=1&lt1=_top&m=amazon&lc1=0000FF&bc1=000000&bg1=FFFFFF&npa=1&f=ifr" style="width:120px;height:240px;" scrolling="no" marginwidth="0" marginheight="0" frameborder="0"></iframe><br />
<br />
<iframe src="http://rcm-jp.amazon.co.jp/e/cm?t=compost0a-22&o=9&p=8&l=as1&asins=B000002KXV&ref=qf_sp_asin_til&fc1=606060&IS2=1&lt1=_top&m=amazon&lc1=0000FF&bc1=000000&bg1=FFFFFF&npa=1&f=ifr" style="width:120px;height:240px;" scrolling="no" marginwidth="0" marginheight="0" frameborder="0"></iframe>]]></description>
 <category>pick up disc</category>
<comments>http://com-post.jp/?itemid=602</comments>
 <pubDate>Wed, 18 Apr 2012 07:43:00 +0900</pubDate>
</item><item>
 <title>益子博之の見解</title>
 <link>http://com-post.jp/?itemid=601</link>
<description><![CDATA[これは困った。ロバート・グラスパーに続いて本作にも低い評価を与えたとなると、「いまどきの音楽がわからないロートル・ジャズおやじ」の烙印を捺されかねないではないか。筆者は本作に高い評価を与えることは最終的にはできないが、少なくとも作品の出来が然程悪いと考えているわけではない。<br />
<br />
決して耳障りにはならない聴き心地の良い音楽だが、単純なBGM用ポップスの範疇を超えたクォリティをも獲得している。楽曲毎に趣向を凝らしたアレンジメントを施し、各々を演奏するに適した著名なジャズ・ミュージシャンをセレクトするという贅沢極まりないプロダクション。その人選も、バークリー音楽大学在学時の教員でもあるビッグ・ネーム達から、彼女の同窓生や友人に至る幅広い人脈から為されている。そのゴージャスさ加減は、まるでかつてのスティーリー・ダン～ドナルド･フェイゲンを彷彿させるほどだ。<br />
<br />
しかし残念ながら、スティーリー・ダンが持っていたような色合いやテイストの「強さ」「濃さ」をエスペランサの音楽から窺うことはできない。ドナルド・フェイゲンの灰汁の強い声質と節回し、あるいは特異なコード進行と記憶に残るメランコリックな旋律。そうした独自の個性とか匂いみたいなものが希薄なのだ。<br />
<br />
とはいえ、この薄味さ具合の原因を、彼女の若さや世代の特徴に帰することはできない。本作にコーラスで参加している女性ヴォーカリスト二人、グレチェン・パーラトーとベッカ･スティーヴンスは揃って11年にアルバムをリリースしているが、どちらも十分「個性的」な作品に仕上がっているからだ。二人とも自らと同世代のジャズ･ミュージシャンを起用しながら、セッション的ではない確固たるバンド･サウンドを確立しており、パーラトーが故郷ブラジルの薫りを漂わせつつ、各人のソロを効果的に配したソフト&メロウなジャズを志向する一方、スティーヴンスのほうは非ジャズ的な楽器編成を用いてアメリカーナへの憧憬を顕わにしている。そして何より、二人とも芯の強さや色の濃さを感じさせる「個性的」な声質を持っている。<br />
<br />
確かに、二人はエスペランサのように器用ではないだろう。だが、エスペランサの音楽は、まるで優等生の卒業制作というか、成績優秀者クラス向け試験の模範解答というか、手間暇かかった出来上がりは立派なのだが、ついつい聴きたくなってしまうような強烈な吸引力であったり、あるいは淡々としていながらもそこはかとない浸透力であったりを獲得してはいないように感じられるのだ。<br />
<br />
本作は、ストリングスを伴う楽曲を中心に構成したという前作『Chamber Music Society』（筆者は未聴）と対になる存在、彼女の音楽性の全貌を表現する上で補完的な関係にある、レイディオ・オリエンテッドなポップ志向の作品として構想されたという。こんな風にバランス感覚を発揮して二部作に分けるという発想自体が、如何にも優等生的ではないだろうか。止むに止まれず作ってしまったら、こんな変なことになってしまった、後世に残る傑作の多くはそうして生み出されてきたのではなかっただろうか。<br />
<br />
<iframe src="http://rcm-jp.amazon.co.jp/e/cm?t=compost0a-22&o=9&p=8&l=as1&asins=B005VR9C42&ref=qf_sp_asin_til&fc1=606060&IS2=1&lt1=_top&m=amazon&lc1=0000FF&bc1=000000&bg1=FFFFFF&npa=1&f=ifr" style="width:120px;height:240px;" scrolling="no" marginwidth="0" marginheight="0" frameborder="0"></iframe><iframe src="http://rcm-jp.amazon.co.jp/e/cm?t=compost0a-22&o=9&p=8&l=as1&asins=B003OFHMKO&ref=tf_til&fc1=606060&IS2=1&lt1=_top&m=amazon&lc1=0000FF&bc1=000000&bg1=FFFFFF&npa=1&f=ifr" style="width:120px;height:240px;" scrolling="no" marginwidth="0" marginheight="0" frameborder="0"></iframe><iframe src="http://rcm-jp.amazon.co.jp/e/cm?t=compost0a-22&o=9&p=8&l=as1&asins=B004OCCLCA&ref=tf_til&fc1=606060&IS2=1&lt1=_top&m=amazon&lc1=0000FF&bc1=000000&bg1=FFFFFF&npa=1&f=ifr" style="width:120px;height:240px;" scrolling="no" marginwidth="0" marginheight="0" frameborder="0"></iframe><br />
<br />
<iframe src="http://rcm-jp.amazon.co.jp/e/cm?t=compost0a-22&o=9&p=8&l=as1&asins=B004OKFIOK&ref=tf_til&fc1=606060&IS2=1&lt1=_top&m=amazon&lc1=0000FF&bc1=000000&bg1=FFFFFF&npa=1&f=ifr" style="width:120px;height:240px;" scrolling="no" marginwidth="0" marginheight="0" frameborder="0"></iframe>]]></description>
 <category>pick up disc</category>
<comments>http://com-post.jp/?itemid=601</comments>
 <pubDate>Wed, 18 Apr 2012 07:37:35 +0900</pubDate>
</item><item>
 <title>原田和典の見解</title>
 <link>http://com-post.jp/?itemid=600</link>
<description><![CDATA[オレも年をとったなあ、と思うことが増えてばかりの今日このごろである。<br />
<br />
すぐ息切れがする。小便の切れが悪い。「こちら、お水になります」と水を持ってくる若い店員に「その日本語、許せん！　じゃあなんだい、さっきまでその水は、オレのところに来るまで水素２と酸素１だったんだな。それが突如として水に“なった”んだな。そういうことだな！」と絡みたくなる。まったく無名の新人だと思っていた奏者が、あれよあれよという間にスターへの階段を登っていたりする。若手の速度はいつでも速くて、こちらの速度はトロくなるばかりだ。<br />
<br />
ぼくがエスペランサ・スポルディングの存在を知ったのは2006年のことだ。知り合いの海外盤ディーラーに、「今度Ayvaというレーベルを輸入するから、とりあえず作品を聴いて、よかったら文を書いてくれないか」といわれたのがきっかけだ。『Junjo』というタイトルが面白かったし（“純情”という意味ではないと思うが）、演奏もよかったので文章を書いた。ミシェル・カミロみたいな変拍子ラテン・ジャズが印象に残ったけれど、まさかこんな人気者になるなんて思いもしなかった。グラミー賞の最優秀新人賞も獲得し、ホワイトハウスやノーベル平和賞受賞式典で演奏し、ファッション雑誌の表紙を飾るまでになろうとは。<br />
<br />
そこでこの最新作だが、いやー、なんとも心地よいポップスだ。もともとエスペランサはベースを手がける前、ロック・バンドのリード・ヴォーカリストだったという。そのバンドは大して成功しなかったようだが、ここにきて“本懐をとげた”というべきか。シンガー・ソングライターとしての魅力をいたるところから発散している。とくにシングル・カットされた「ブラック・ゴールド」は実にポップでキャッチー、それでいて歌詞はやんわりと厳しく（ミュージック・ビデオを見ると、それがよくわかる）、こんな音楽が朝おきぬけにラジオから流れてきたら、その日はずっとゴキゲンな気分で過ごせそうだ。マイケル・ジャクソンのカヴァーはいらなかったんじゃないのか？　全編彼女のオリジナルでもよかったんじゃないのか？　という気もするが、今度海外にいくときは、これをヘッドフォンで聴きながらブルックリンあたりをうろついてみたいものだと思った。<br />
<br />
なお、この作品、アルバムの各曲（ウェイン・ショーター作「絶滅危惧種」のカヴァーを除く）にミュージック・ビデオが存在する。そこでのエスペランサは歌ったりベースを弾くだけではなく演技もしている。今後は映画に出るのかもしれないし、舞台に進出することだって考えているのかもしれない。セレブとのスキャンダルが流れたら、日本のテレビ番組ではデーブ・スペクターや関根麻里がそれを紹介するのかな。<br />
<br />
ジャズ・ベーシストとしてのエスペランサがどんどん遠くなっていきそうなのはいささか残念だけど、いいベースを弾くジャズ奏者はいくらでもいる。彼女には心おきなくポップ＆エンタテインメント道を邁進してほしい。ジェリービーンズのように甘くてカラフルな次作を期待！<br />
<br />
<iframe src="http://rcm-jp.amazon.co.jp/e/cm?t=compost0a-22&o=9&p=8&l=as1&asins=B005VR9C42&ref=qf_sp_asin_til&fc1=606060&IS2=1&lt1=_top&m=amazon&lc1=0000FF&bc1=000000&bg1=FFFFFF&npa=1&f=ifr" style="width:120px;height:240px;" scrolling="no" marginwidth="0" marginheight="0" frameborder="0"></iframe><iframe src="http://rcm-jp.amazon.co.jp/e/cm?t=compost0a-22&o=9&p=8&l=as1&asins=B006J1JJRY&ref=qf_sp_asin_til&fc1=606060&IS2=1&lt1=_top&m=amazon&lc1=0000FF&bc1=000000&bg1=FFFFFF&npa=1&f=ifr" style="width:120px;height:240px;" scrolling="no" marginwidth="0" marginheight="0" frameborder="0"></iframe><iframe src="http://rcm-jp.amazon.co.jp/e/cm?t=compost0a-22&o=9&p=8&l=as1&asins=B003IOSJ0S&ref=qf_sp_asin_til&fc1=606060&IS2=1&lt1=_top&m=amazon&lc1=0000FF&bc1=000000&bg1=FFFFFF&npa=1&f=ifr" style="width:120px;height:240px;" scrolling="no" marginwidth="0" marginheight="0" frameborder="0"></iframe>]]></description>
 <category>pick up disc</category>
<comments>http://com-post.jp/?itemid=600</comments>
 <pubDate>Wed, 18 Apr 2012 07:31:08 +0900</pubDate>
</item>
  </channel>
</rss>
